ヨグサロンのパズルボックスの評価

随分久しぶりの記事更新です。
今回は新拡張のカードであるヨグサロンのパズルボックスについて、現在のカードプールで実際強いのかについて語っていきたいと思います。

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 まず現在のカードプール(7/3現在)でのカードの種類の割合と、10回の呪文を唱えた後の盤面リセット確率、ドローの期待値、秘策の期待値をまとめた表を見ていきましょう。なお盤面リセット確率の定義は乱闘、捻じれし冥界、集団ヒステリー、死の災厄を一度以上引く確率と定義しました。また、AOE(盤面)はフレイムストライクや乱闘など盤面全体に影響を与えるもの、AOE(複数体)はシューティングスターなどの複数体に影響を与えるものと定義しました。また、マイラの不安定元素はドロー期待値を出すうえで特殊すぎるため、条件付きドローの方に定義しました。また、ドローについてはウィッチウッドの林檎のようなカードも入れています。

*1

合計 デメリット無 デメリット有 AOE(盤面) AOE(複数体) 単体除去 ドロー ドロー(条件付き) ヒール 装甲 ミニオン召喚 バフ(単体) バフ(複数) 秘策 盤面リセット確率 ドローの期待値 秘策枚数期待値
291 166 125 23 10 63 58 18 20 39 29 16 20 0.13 2.4 0.7
割合 0.57 0.43 0.08 0.03 0.22 0.20 0.06 0.07 0.13 0.10 0.05 0.07        

なんと盤面リセット確率は13%しかないことが分かりました!しかし、これはあくまで上記の4つの呪文による除去確率であるため、次に相手のミニオンのヘルスに対する除去確率を見ていきましょう。

相手ヘルス 1 2 3 4 5
処理成功率 0.53 0.39 0.25 0.19 0.15  

ヘルス2までなら40%近い確率で除去可能ですが、それよりヘルスが大きいと安定しない印象ですね。これは簡単のためAOE(盤面)のみで除去できる確率を求めたので、実際には単体除去や平等などでもう少し除去可能性は大きくなるでしょう。

しかし、ヨグ全盛期を経験した読者の皆さんはヨグを出したら盤面リセットは大体してくれた印象が強いのではないでしょうか?その頃を思うと上記の確率はいささか低いように感じます。

それについては次の3つの要因があります。

  • 当時の方がAOEが多かった
  • 当時のカードプールが狭かった
  • 試行回数が多い
AOEについては当時の環境では、単体で盤面リセットできるカードは乱闘、捻じれし冥界、破滅、決闘の地、退散の5種類ありました。しかし、現在のカードプールでは乱闘、捻じれし冥界、集団ヒステリー、死の災厄の4種類と減っています。その一方、旧神時代のクラシックと基本を除くカードプールはBRM、TGT、LOE、旧神の4種類でしたが、今回の計算で用いた現在の拡張はウィッチウッド、メカメカ、ウドゥ祭、悪党同盟(+死の災厄)です。比較すると、過去の環境ではBRMとLOEというアドベンチャーが2つ含まれており、その分カードプールが狭かったことが分かります。カードプールが狭いほど、特定のカードを使用する確率は大きくなるため、盤面リセットが安定して行えたと推測できます。また、当然のことながら今後も新拡張のカードは増えるため、さらにカードプールは広くなり、ヨグサロンのパズルボックスによる盤面リセット確率は減る可能性が大きいでしょう。また、試行回数の差も除去確率の低い要因として大きいです。ヨグサロンのパズルボックスは10回しか呪文を唱えませんが、ヨグサロンは大体の場合もっと多くの呪文を使っていました。当然試行回数を増やすと処理する可能性は大きくなります。
実際に当時のカードプールで15回呪文を唱えると仮定して、盤面除去確率を算出してみたところ24%の確率でした。ちなみに、20回呪文を唱えるなら30%でした。それと比較すると大きく除去性能は劣っていると言えます。
ただ、構築を縛る必要がない点とマナサイクロンから持ってくることができるためそれなりに目にする機会は多そうです。

 

*1:HSの全呪文をエクセルに手打ちして数えたので打ち間違いの可能性は多少あります