現スタンダードのカードプールとRNG

こんにちは。youhitです。
今回はハースストーンのランダム要素を少しでも上手く活かせるようになる話です。
現在人気の高いデッキの1つにクエストシャーマンがあると思いますが、クエストシャーマンは進化ガチャで一喜一憂することが非常に多いデッキです。肉細工師を進化させることが多いですが、他のカードに進化を使うときの期待値をより高めることが出来れば最終的な勝率もきっと上がります。そこで私は現スタンダード(2019/9/28)におけるカードをエクセルに打ち込んで挑発の確率や急襲の確率を算出しました。また、クエストシャーマンにおける進化ガチャを考える目的なので1マナは省いています。

ちなみに画面はこんな感じ

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進化ガチャ

 主要なキーワードの確率をまとめたものを示します。※打ち間違えてたらごめんなさい

なお主観とは私が各カードを独断と偏見で当たりかハズレかを1~3点でつけたものです。なお、1点がハズレで3点が当たりです。

  主観
コスト 挑発 急襲 突撃 生命奪取 1 2 3
2 0.03 0.04 0.01 0.04 0.30 0.62 0.08
3 0.07 0.02 0.01 0.01 0.36 0.56 0.08
4 0.13 0.04 0.02 0.03 0.46 0.41 0.13
5 0.13 0.09 0.02 0.02 0.53 0.40 0.07
6 0.16 0.03 0.03 0.00 0.40 0.37 0.23
7 0.13 0.04 0.00 0.00 0.38 0.51 0.11
8 0.22 0.13 0.06 0.03 0.34 0.34 0.31
9 0.00 0.20 0.07 0.00 0.20 0.53 0.27
10 0.06 0.00 0.00 0.00 0.38 0.31 0.31

例えば挑発が欲しい場面で1,2,3マナミニオンが並んでいるのなら、3マナミニオンに進化を当てるのが良いことになります。主観評価の使い方は進化系のカードを2枚以上持つ場合に使います。例えばライフドリンカーとリンチェンが盤面に居て、手札に魔女の悪の手先か突然変異が2枚あったとしましょう。ここで両方に進化を打つ場合、5マナと6マナでは5マナの方がハズレが多いため、ライフドリンカーに先に進化を打つべきなのです。なぜなら、ハズレを引いたならもう一度進化させることが出来るし、ちゃんと当たりを引いたらリンチェンに進化を打てばよいからです。

 

呪文ガチャ

 呪文ガチャもイセリアルの手先から出るため重要です。ちなみにシャーマンの呪文はクエストを除いて34種類(進化が追加されて35枚になりましたので今後の計算は多少ずれます)あります。ハンターハンターのGIのスペルカードより少ないのでまずは頑張って暗記しましょう。そして、狙いの呪文が何種類あってそれがどれくらいの確率で引けるのか大雑把に把握しましょう。

呪文の発見確率をまとめたものを示します。

狙う枚数 1回発見の確率 2回発見の確率
1 0.09 0.17
2 0.17 0.31
3 0.25 0.44
4 0.32 0.54
5 0.39 0.63
6 0.45 0.70
7 0.51 0.76
8 0.57 0.81
9 0.62 0.85
10 0.66 0.89

例えば残りマナ5マナで、あと2点でリーサルという場面で手札にイセリアルと電線ネズミが居たとしましょう。そのとき呪文発見でリーサルを狙うか手先でリーサルを狙うか迷う人もいると思います。ヒロパイセリアルで残り2マナで、2マナ以下でリーサルになる呪文はライトニングボルト、トーテム投擲、岩穿ちの武器の3種狙いがあるためヒロパイセリアルから44%の確率で引けます(厳密に言えば凍気の衝撃2枚でもリーサルですが誤差レベルなので無視していいです)。そして、ヒロパ電線ネズミの場合、約31%でコボルトを引けるため、呪文発見の方が勝ちやすいことが分かります。

 

では次に応用パターンの例題を解いてみましょう。※かなり込み入った内容です

残りマナは4マナ、手札にはイセリアルの悪の手先と下水啜りのゲスで盤面は何もいないとします。相手のヘルスが2の場合、リーサルを取りに行く場合の最適な動きを考えましょう。

まず2点が出て1マナで使える呪文はライトニングボルトとトーテム投擲なので、ヒロパイセリアルだと表より31%。ヒロパゲスでコボルトを引ける可能性は31%なのでほぼ変わりませんね(実際にはもう一桁有効数字を増やすと0.8%呪文発見の方が確率が高いです)。だから、この場合はほとんど差が出ない。

 

 

 

 

 

と思った方はヒロパを常に打つという固定観念に囚われています。

リーサルを狙うなら実はヒロパを打たずにイセリアル→ゲスが正解です。なぜなら、ヒロパを打たずに呪文発見をすればリーサルになる呪文が増えるためです。今回はヒロパを打たない場合、3マナ使えるので、ライトニングボルト、トーテム投擲、岩穿ちの武器、溶岩爆発の4種になり、実はこの時点で32%のリーサルが狙えるのでわずかに優秀です。さらにここからゲスでコボルトを引く可能性もあるので、1-0.68×5/6=0.433となり43%の確率でリーサルとなるため10%以上勝率が上がります。実際にはこの動きをするとリソースが減ってしまうので、この動きが常に正解なわけではありません。リーサルを取れない場合は試合は続くので、リソースを稼ぎに行くプレイングも正解です。返しのターンに相手にリーサルがあるなど、そのまま試合を続けても負けそうな場面で狙うべき動きです。また、この計算は試合中に行うのは相当難しいので、ヒロパを打たない選択をする基準はヒロパを打たないことで選択肢がいくつ増えるかで概算します。ざっくり呪文の選択肢が倍以上になるならヒロパを打たない方が良いことが多いです。"2倍の選択肢で1回で発見できる確率≒2回で発見できる確率"なので概算としては便利です。2倍と聞くとレアケースな気がしますが、ヒロパを打つと選択肢が1になる場合、ヒロパを押さないことで選択肢が1でも増えるならヒロパを押さない選択が強くなるので案外頻出します。

ちなみに呪文と手先の確率比較の概算は”呪文の狙い目2種≒手先の狙い目1種”と覚えておくと良いでしょう。つまり狙い目の呪文が3種以上なら呪文発見が優秀だし、1種なら手先が優秀です。